へっぽこブラリタビィ

ふるえる声でラブエンピース!沖縄生まれのへっぽこが世界各地で博愛をゴニョゴニョ呟く旅ブログ

クラクションは二回鳴る

 
 
降ろされた砂の街、名前はソレダードというらしい。
 
 
マクドナルドで少しの休憩をはさんでから、
 
もうしばらくヒッチハイクしてみることにした。
 
 
 
 
 
4時間経過。
 
 
 
全く捕まらない……。
 
 
トラックが1台止まり、2ドルをくれて去って行ったが、
 
それっきり誰も反応がないのである。
 
おかしいなあ……。
 
交通量が少なすぎるってわけでもないんだけどなあ。
 
メキシコ人やアジア人が目立つ。
 
何かワケありの街なんだろうか?
 
 
 
何時間経っても、どれだけ暑くても、
 
常に笑顔を忘れずヒッチハイク
 
アゴいてえ。あっつ。
 
 
 
しかし努力もむなしく、目すら合わない。
 
俺に対する興味すら感じられない。
 
 
むう、これはとても不利な状況……。
 
 
 
逆光のせいか?とポジションを工夫してみる。
 
 
今日はもうやめとこうかな。
 
 
諦めかけたその時。
 
パーー!と後方で鳴るクラクション。
 
やった、止まってくれたー!
 
 

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彼女はオランダ出身。 
 
ヨーロッパ人は初めてかも。
 
 
 
アメリカに来て数十年、
 
最初は毎日1単語ずつ覚えていったらしい。
 
 
あなたは英語が上手だと言われたけど
 
俺らだって外国人が
 
「ワタシニホンゴデキナイ」
 
とか言ってたらそりゃ
 
「ユーアーソーグッド!!!」
 
とか言うよな。
 
本当にうまい人にはうまいとか言わない。
 
勉強しなきゃ。くそー。
 
 
 

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グリーンフィールドという街へ。
 
スペイン語の看板が目立つ、メキシコ系の街だ。
 
 
近くのモーテルまで連れていってもらったが、今夜は満室とのこと。
 
どうしよう、困ったなあ。
 
 
「今から友達の家に行くけど、1時間後に戻ってくるから
 
他のモーテルがなかったらここに集合ね!
 
そしたら次の街まで送ってあげる」
 
 
なんて優しい人なんだ、ありがとう……。
 
 
待ってる間近くのモーテルを物色。
 
 
一つは改装中、チェックインは明日からだと追い出された。
 
もう一つはなんかメキシコ人がパーティしてた。
 
詳しくはわからない、とにかくモーテルはもう近くにはなさそうだ。
 
 
 
諦めて待ち合わせ場所で彼女を待つ。
 
 
 
 
1時間が経った。
 
 
来ない。
 
 
突然マズいことになったぞ……。
 
 
日没してしまうとヒッチハイクもできない。
 
この辺にはモーテルもないので、
 
このままだとこの街で野宿するハメに。
 
 
 
野宿する装備ではないので、
 
できればモーテルに泊まりたい。
 
どうする。どうしよう。
 
 
 
日没までまだ1時間ほどはありそうだったので、
 
急いでハイウェイのエントランスまで行って、
 
日没ギリギリまでヒッチハイクしてみよう。
 
 
失敗したら野宿である。
 
あの薬局の後ろとかよさそうだな……。
 
 
 
時間がないのでハイウェイまで急ぐ。
 
早歩き。
 
早歩き。
 
ハイウェイを目前にしたその時。
 
 
パーー!と背後から聞き覚えのあるクラクション。
 
これは!!
 
 
 
彼女の登場である!!
 
 
 
 
「やっぱりなかったんだ」と苦笑いの彼女。
 
俺なんてほっといてもいいのに、
 
わざわざ戻ってきてくれた彼女。
 
本当に助かった、ありがとう、ありがとう……。
 
 
 
次の街、キングシティのモーテルまで送ってもらい、
 
惜しみながら別れを告げるのでした。