救世主バイオリンに拾われ帰国を免れた俺。
感謝を伝え、カタコト英語で会話してみる。
「バイオリン……?テルミーユアスペル」
「ビー、ワイ、アール、オー、エンヌ」
Byron。
バイロンだった。
Vですらないのかよ!!!
英語って難しい、先が思いやられるぜ……。
俺「今からどこへ行くの?」
バイロン「仕事帰りだよ。君は?」
俺「シアトルへ行きたいんだ」
バイロン「シアローッ!?」
凄い驚かれた。
ファニーすぎるって言われた。
え、そんなに?なぜ?
アメリカ人ってみんなそんな感じでしょ……?(ステレオタイプ)
「長旅になるよ、よかったら家に泊まってって!
明日、ペンシルベニア(隣の州)まで送ってあげる!」
マジで……?そんなに世話になっていいの?
「お腹減ってるでしょ、魚料理作ってあげる!
ビール好き?映画も見ていいよ!
洗濯機も乾燥機も使っていいよ!!」
なんだか怒涛の親切攻撃。
あなたがナイチンゲールか!
本当に申し訳ないけど、
今回はお世話になることにしました。
車を走らせること数十分。
静かな池沿いのバイロン宅に到着。
空気がおいしい。いいところだなー。
出迎えてくれるお母さん。
バイロン「彼は日本人のヒッチハイカーなんだ」
お母さん「@\%$*&」
なんて?
家ではスペイン語で話すらしい。
英語も聞き取れないのにそりゃあ聞こえないわな!
そこからは魚料理をごちそうになったり、
ビール飲みながらデッドプールを観たり。
屋根裏でビリヤードしたり。
初日からこんなに親切にしてもらえるなんて。
本当にありがとうバイロン!
欲を言えば1回くらい勝たせてほしかったけど。