へっぽこブラリタビィ

ふるえる声でラブエンピース!沖縄生まれのへっぽこが世界各地で博愛をゴニョゴニョ呟く旅ブログ

凍てつくバス停、シアトルの夜

 
 
チャイナタウンに降ろされ、今夜の宿を探す。
 
中国語の看板、なんだかとても
 
北京空港※を思い出して不快である。
 
 
 
 
そんなに安くもなさそうだし、
 
これは少し郊外の方へ出ていって、
 
安いモーテルでも探すかな。
 
 
 
グーグルマップ、徒歩で1時間。
 
それくらいなら平気で歩けるようになってしまった。
 
ルンルン気分で郊外の方向へ。
 
 

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さらに歩き続ける。

 

 

あれ、なんだか様子がおかしい。

 

ガラスの割れた廃墟とかあるんだけど……。

 

 

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家主が消息不明みたいな建物とか。
 
めっちゃ治安悪そう……こんなところのモーテルはやだな。
 
 
せっかく歩いてきた道を1時間かけて戻る。しんどい。
 
 
 
 
 
また会ったなチャイナタウン。
 
 
 
もう一度ググってみると、今度は都市部の方にありそうである。
 
 
ということでまた1時間くらい歩くことに。
 
 

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観光客らしき人だかり。
 
いいなあ、俺も家族や友人とのんびり観光したい……。
 
 
それらしき場所に到着。
 
え、モーテルなんてないぞ!
 
 
 
もしかしたら閉店してしまったのかも知れない。
 
落ち込んで近くのホテルを肉眼で探す。
 
 
 
適当なホテルを見つけた。
 
予約なしで泊めてくれるかな。
 
今まで泊まった中で一番高い宿がタナーズビルでの140ドルなので、
 
それを少し超えるくらいなら……。
 
 
俺はいくらでも出すつもりだった、とにかく疲弊しきっていた。
 
シャワー浴びたいです……。切実。
 
 
ホテルのフロントにて空室照会。
 
 
「350ドルです」
 
 
さっ……!?(茫然自失)
 
 
 
八方ふさがりとはこのことである。
 
 
 
どうしよう。
 
うわーどうしよう。
 
でもずっと考えているうちに、
 
だんだん宿のことはどうでもよくなってきた。
 
 
 
「あ、カートコバーンの墓いきたい」
 
 
 
今夜の宿はどうするのか。
 
どこに寝ていくら払うのか。
 
そういう問題がなぜだかスポンと抜けて、
 
「とりあえずカートの墓行っとくか!」
 
となったわけである。
 
 
そこからまた歩いて2時間。
 
一体どれだけ歩けば……。
 
 
 
住宅街を通り抜け、着いた頃には21時。
 
当然のごとく真っ暗。
 
 
公園の入口すらまともに見えない。
 
俺は何をしに来たんだ……?
 
 
 
とりあえず墓の近くに屋根付きのバス停があったので、
 
今晩はそこで野宿することに。
 
 
大丈夫、10時間ぐらいやりすごせばいいだけだ……。
 
 
そしてここで気付いたんだけど、
 
なんかめちゃくちゃに寒い。
 
 
(後で調べたら10度ちょっとくらいでした)
 
 
 
まさか西アメリカがこんなに寒いとは思ってなかったので
 
もちろん半袖しか持ち合わせていない。きっつ。
 
 
 
半袖を3枚重ね着し、手に靴下を履く。
 
タオルを首に巻き、バイロンからもらったカイロを開封した。
 
 
何かあればすぐ逃げられるよう、カードは靴の中に。
 
 
バス停に横になる。
 
 
 
ダメだ寒すぎる!!!
 
 
 
死んでしまう!!!
 
 
 
俺が死んだら22クラブも作ってください!!!!
 
 
 
数時間ブルブル震えていると、
 
同じくバス停におじさんが一人座った。
 
 
白人が黒人を殺したことについてすごい熱弁している。
 
電話しているんだろう。ちょっと目を開けてみる。
 
 
 
 
 
電話持ってない!!!
 
え、独り言なの?
 
 
 
それからずっと「ファッキンシット」などと悪態をつきながら
 
ノンストップでしゃべる彼。
 
 
こわい、こわすぎるよ……。
 
 
 
 
なにをされるかわからなかったので
 
なるべく注視していたんだけど、
 
寒さとそれよりも疲労の方が勝っていたらしく。
 
 
 
気付けば2時間ほど眠っていました。
 
 
まだ喋ってるこのおっさん……。
 
 
 
朝方までただブルブル震え、
 
太陽が昇る寸前にバス停を後にしたのでした。
 
 
長い長い夜だった……。