とうとうロサンゼルス最終日である。
クレイジーリンダ(しつこい)は今日もお仕事。
「今日は帰ったらディナーを作ってあげるからね!」
そんな終業式の豪華な給食みたいな。
ありがとう、ボク家で待ってるね!
さて。
最終日ともなると、見慣れた風景が突然寂しいものになるな。
近くを散歩。
いつも通り過ぎていたメキシコ人屋台。
今日はちょっと買ってみるかな。
果物の盛り合わせである。
4ドルらしいので、チップだよ!と5ドル渡しといた。
最終日がゆえのコミュニケーション力。
寂しいなあ、ロサンゼルスもっといたいなあ。
スイカ、ミカン、メロン、謎の白いヤツ。
謎の白いヤツ以外は本当に美味しかった。
謎の白いヤツはごめん、途中でリタイヤした。
樹木みたいな味するんだもん。ホントごめんね。
そして、リンダの帰宅。
「今日の夕飯はベトナムのスプリングロールよ」
おー、春巻きってことかな?
手巻き寿司みたいな感じか。
米で作られた紙をしき、
好きな具材をトッピングし、巻いていく。
完成したらチリソースにディップ。
ムズない?
味は最高!
でも何より、久しぶりの手料理がすごく嬉しかったなあ。
ありがとね。
少しずつ、出発の時は近付く。
「ねえ、ジロー知ってる?」
リンダが急に切り出す。
ジローなら知ってるよ、アブラマシマシのアレでしょ?
どうやらジローはリンダお気に入りの寿司職人らしい。
お気に入りの寿司職人って概念があるの?
「見せてあげる」そう言うとリンダはPCを手にし、
あるドキュメンタリー番組を見せてくれた。
アメリカでは寿司はファッショナブルなものとされているのだろうか?
スローモーションで握られるHAMAGURIを見ながら
「クール……」と呟くリンダ。
さすがに爆笑したわ。めちゃくちゃ笑った。
とうとう出発の時である。
明日も仕事なのに、車でステーションまで送ってくれるリンダ。
「最初のドライバーがバイロンで、最後のドライバーがわたしで。
とてもファニーな旅行だね」
到着。別れの時である。
俺ってば本当にこのお別れの瞬間が苦手なんだよなー。
こんなにつらいなら、会わなきゃよかったとまで思ってしまう。
「今度は日本に行くね」とリンダ。
もちろん!今度は俺が日本を案内する番だな。
その時はクールなHAMAGURI握ってやるよ。
固い握手を交わし、彼女は行ってしまった。
リンダもバイロンも、ありがとう。
ヒッチハイクでのアメリカ横断、そして縦断が終わった。
なんだかすごいことって感じがするけど、
コイツらがすごいんであって、俺自身はすごいことしてないんだよな。
道路で右手突き出してただけだし(笑)
本当にいろんな人に助けられたよ、みんなありがとう!
今度は日本に来いよな。